（１）高血圧の診断
一度の血圧測定で高血圧と診断することはできません。血圧は変動しやすいものなので日を変えて何度か測定する必要があります。ご自宅での血圧測定も大変重
要ですので、できるだけ皆さんに測定をお願いしています。必要に応じて携帯型自動血圧計で２４時間血圧変動を調べたりすることもあります。
家庭での血圧が１３５／８５ｍｍHg以上、病院での血圧が１４０／９０ｍｍHg以上であれば高血圧症と診断されます。
（２）高血圧の重症度判定
血圧の高さだけでなく、全身に高血圧による影響がどの程度現れているかを判定することも重要です。
当院内では（１）心電図、Ｘ線検査、超音波検査で心臓への影響を、（２）尿検査、超音波検査で腎臓への影響を、（３）眼底検査、超音波検査で血管の動脈硬
化の進行を、必要に応じて検査いたします。また、脳出血、脳梗塞の有無などを調べる必要がある場合は近隣の総合病院に依頼しＣＴ・ＭＲＩなどの検査を行い
ます。
平成２８（2016）年２月号 「高血圧と心臓」
平成２７（2015）年８月号 「神経内科（脳梗塞）と高血圧」
（３）高血圧の原因についての検査
高血圧の原因で最も多いのは体質的な高血圧（本態性高血圧症）ですが、特殊な疾患による高血圧（二次性高血圧）を見逃してはいけません。当院内での血液検
査、尿検査、超音波検査で二次性高血圧が疑いが出てきた場合は近隣の総合病院に依頼し、さらに精査を行います。（場合によっては入院が必要な事もありま
す。）
（４）高血圧症の治療
治療の土台になるのは、食生活や運動不足の改善など、いわゆる生活習慣の改善です。患者さんのお話を伺い、生活習慣改善のためのアドバイスを行います。
これだけで血圧が下がる場合もありますが、降圧が不十分なときは薬の出番です。数ある降圧薬のなかで、それぞれの患者さんに最も適した薬を選択することが
大切です。
平成２４（2012）年７月号 「血圧がなかなか下がらないときは」
二次性高血圧の場合は、それぞれの原因疾患を治療していく必要があります。中には手術が必要なものもあり、この様な場合は治療可能な病院へ御紹介していま す。
