さて、起点があれば終点もあるはず。今回は長崎にその「終点」を訪ねてみました。インターネットで調べると、長崎街道は 市の東側から日見峠を下って長崎に入っていたようです。長崎市街への入口は一ノ瀬口。市電終点の蛍茶屋電停の近くです。ここから市電の通る国道３４号線に 並行して、市の中心部へ向かう小さな通りが旧長崎街道です。この通りは、おくんちで有名な諏訪神社の下で再び３４号線と合流し、市役所から県庁方面につづ きますが、この途中のどこかが終点だったようです。あるサイトには「終点は３４号線にのみこまれてはっきりしない」とありますが、別のサイトでは「長崎奉 行所近くの高札場が終点というのが定説」とあります。長崎奉行所跡には、平成１７年秋に長崎歴史文化博物館がオープンしています。
私たちは、まずこの博物館から見学しました。館の半分には往時の長崎奉行所が再現してあり、奉行や罪人に扮した職員の方 による裁きの再現劇もみることができます。ここから歩いて諏訪神社へ。
参道下の信号をわたると新大工町の旧長崎街道に入ります。この先にシーボルトの鳴滝塾があったため、現在この通りには 「シーボルト通り」という名前がつけられていますが、入口には長崎街道の表示があり、通りの雰囲気も旧街道をしのばせます。そう、長崎街道の起点であるわ が小倉の室町に何となく似ているのです。そして、なんと「玉屋」もありました！小倉の玉屋デパートはもうありませんが、長崎玉屋はしっかり営業していまし た。長崎街道の起点と終点に玉屋があるなんて、なんという奇遇でしょう！（こんなことで盛り上がったのは私たちだけだと思いますが）
さらに歩くと、長崎街道の碑がありました。
ちょっと待った。えっー、「長崎街道ここに始まる」だって？
終点を訪ねて来たつもりの私たちは、驚いたのなんの。小倉常磐橋たもとの碑にはしっかりと「長崎街道起点」と書いてある のに・・・。それに街道の終点は奉行所ちかくのはずでは・・・？
でも、その碑から先に続く道を見ているうちに、そんなことはどうでもいいと思えてきました。この道の五十六里（約 ２２４ｋｍ）先に小倉があり、ここから多くの人が旅立って行ったのです。往時の旅人に思いをはせながら、私たちも小倉への帰路につきました。
長
崎ランタンフェスティバル