本年２月いっぱいで小倉北区室町（当院の隣町）にあるデパート小倉玉屋の現店舗が閉店、小倉駅前の旧そごうビルで仮営業することになりました。閉店後は取り壊され、現在工事中の室町再開発ビル用地の一部になります。（当院ホームページの中の案内地図もかき直さなくてはならなくなりました。）玉屋では今、記念セールの真っ最中です。また、旧そごうビルでは３月中旬の営業開始にそなえて着々と準備が進んでいるとお聞きしています。新たな飛躍に向かっての閉店ですが、当院とは至近距離にあり公私ともに長年にわたってお世話になった現店舗ですので、移転の日が近づいて来るにつれ惜別の念がこみ上げてきます。今回は小倉玉屋現店舗の思い出を書いてみることにしました。
小倉玉屋の前身、菊屋デパートの開店が昭和１２年との事ですので今から６５年前です。当時は小倉駅が室町にあり、小倉一の繁華街だったのです。玉屋になったのが昭和１６年だそうです。左の写真と現在の姿を比べるとかなり増築されていることがわかりますが、私（藤島慎一郎）が物心ついた時には今と同じ姿になっていたような気がします。
幼稚園のころ、玉屋のレストランで撮った写真が実家に残っています。デパートのレストランも今と比べると、ずっと“特別な場所”だったんですね。小倉の都心に近い当院周辺は、今でこそ住んでいる人がやや減って高齢化していますが、以前は子供もたくさんおり玉屋の中でも走り回って遊んでいました。かく言う私もその一人です。もちろん買い物も日用品から折々の物まで、いつもお世話になりました。近くに住む私たちにとっては、本当に暮らしに密着したデパートだったのです。
昭和６０年に先代院長が当地で開業してからは、当院が最寄りの医院ということで社員の皆様にご利用いただき、私たちと小倉玉屋の新たなお付き合いが始まりました。先代院長から引き続いて今日に至るまで、嘱託産業医もさせていただいております。もう退職された方も多くおられますが、振り返ってみると当院の診察室や玉屋の医務室でいろいろお話ししたことが思い出されます。歴代の医務室担当の方、看護婦さんにも大変お世話になりました。
現在の玉屋医務室は事務棟の８階にありますが、東側に窓があり、進行中の室町再開発ビルの工事がよく見えます。私も小倉北区役所やダイエーの取り壊しから始まって、整地、基礎工事、新しいビルの建設と、順に見せていただきました。そして最近、いつも見下ろしていた工事がいつの間にかこちらより高くなり、こちらに向いた面がシートで覆われて、窓から見ても目の前に白いシートが一面に見えるだけになってしまいました。
玉屋の移転で室町界隈も寂しくなりますが、やがて再開発ビルが完成し、往年のにぎわいを取り戻すことを願っています。また移転される小倉玉屋の今後のご発展を心よりお祈りいたします。移転の後も当面産業医をつづけさせていただくことになっていますので、社員の皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。（新しい医務室は元の店長室だったゴージャスな部屋との事で楽しみです。）
藤島慎一郎
